教会へいってみよう

関東学院教会へのアクセス

お問い合わせ

牧師 髙橋彰から、あなたの心に届けたい、心に響くことば。

2022年特別企画 メッセージと朗読とイラストによる「イエスのたとえ」紹介シリーズ ②「タラントン」

イエスの「たとえ」紹介, いのちのたね / 2022年2月28日

「タラントン」のたとえ

14「天の国はまた次のようにたとえられる。ある人が旅行に出かけるとき、僕たちを呼んで、自分の財産を預けた。 15それぞれの力に応じて、一人には五タラントン、一人には二タラントン、もう一人には一タラントンを預けて旅に出かけた。早速、 16五タラントン預かった者は出て行き、それで商売をして、ほかに五タラントンをもうけた。 17同じように、二タラントン預かった者も、ほかに二タラントンをもうけた。 18しかし、一タラントン預かった者は、出て行って穴を掘り、主人の金を隠しておいた。

19さて、かなり日がたってから、僕たちの主人が帰って来て、彼らと清算を始めた。 20まず、五タラントン預かった者が進み出て、ほかの五タラントンを差し出して言った。『御主人様、五タラントンお預けになりましたが、御覧ください。ほかに五タラントンもうけました。』 21主人は言った。『忠実な良い僕だ。よくやった。お前は少しのものに忠実であったから、多くのものを管理させよう。主人と一緒に喜んでくれ。』 22次に、二タラントン預かった者も進み出て言った。『御主人様、二タラントンお預けになりましたが、御覧ください。ほかに二タラントンもうけました。』 23主人は言った。『忠実な良い僕だ。よくやった。お前は少しのものに忠実であったから、多くのものを管理させよう。主人と一緒に喜んでくれ。』

24ところで、一タラントン預かった者も進み出て言った。『御主人様、あなたは蒔かない所から刈り取り、散らさない所からかき集められる厳しい方だと知っていましたので、 25恐ろしくなり、出かけて行って、あなたのタラントンを地の中に隠しておきました。御覧ください。これがあなたのお金です。』 26主人は答えた。『怠け者の悪い僕だ。わたしが蒔かない所から刈り取り、散らさない所からかき集めることを知っていたのか。 27それなら、わたしの金を銀行に入れておくべきであった。そうしておけば、帰って来たとき、利息付きで返してもらえたのに。 28さあ、そのタラントンをこの男から取り上げて、十タラントン持っている者に与えよ。 29だれでも持っている人は更に与えられて豊かになるが、持っていない人は持っているものまでも取り上げられる。 30この役に立たない僕を外の暗闇に追い出せ。そこで泣きわめいて歯ぎしりするだろう。』」

<マタイによる福音書25章14-30節> 聖書 新共同訳

 

14 “At that time the Kingdom of heaven will be like this. Once there was a man who was about to leave home on a trip; he called his servants and put them in charge of his property. 15 He gave to each one according to his ability: to one he gave five thousand gold coins, to another he gave two thousand, and to another he gave one thousand. Then he left on his trip. 16 The servant who had received five thousand coins went at once and invested his money and earned another five thousand. 17 In the same way the servant who had received two thousand coins earned another two thousand. 18 But the servant who had received one thousand coins went off, dug a hole in the ground, and hid his master’s money.

19 “After a long time the master of those servants came back and settled accounts with them. 20 The servant who had received five thousand coins came in and handed over the other five thousand. “You gave me five thousand coins, sir,’ he said. “Look! Here are another five thousand that I have earned.’ 21 “Well done, you good and faithful servant!’ said his master. “You have been faithful in managing small amounts, so I will put you in charge of large amounts. Come on in and share my happiness!’ 22 Then the servant who had been given two thousand coins came in and said, “You gave me two thousand coins, sir. Look! Here are another two thousand that I have earned.’ 23 “Well done, you good and faithful servant!’ said his master. “You have been faithful in managing small amounts, so I will put you in charge of large amounts. Come on in and share my happiness!’

24 Then the servant who had received one thousand coins came in and said, “Sir, I know you are a hard man; you reap harvests where you did not plant, and you gather crops where you did not scatter seed. 25 I was afraid, so I went off and hid your money in the ground. Look! Here is what belongs to you.’ 26 “You bad and lazy servant!’ his master said. “You knew, did you, that I reap harvests where I did not plant, and gather crops where I did not scatter seed? 27 Well, then, you should have deposited my money in the bank, and I would have received it all back with interest when I returned. 28 Now, take the money away from him and give it to the one who has ten thousand coins. 29 For to every person who has something, even more will be given, and he will have more than enough; but the person who has nothing, even the little that he has will be taken away from him. 30 As for this useless servant – throw him outside in the darkness; there he will cry and gnash his teeth.’

(Matthew25:14‐30 Today’s English Version)

 

◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 

英語のTalent(才能)のもとになっているギリシア語「タラントン」は、

イエスの時代には重さの単位、そして貨幣の単位で用いられていました。

銀34kg。そして労働者の1日の賃金1デナリオンの6000倍もの額に相当します。

旅に出る主人から、留守中に託された莫大な財産を、

活かして商売をして財産を増やした僕(しもべ)たちと、

主人の厳しさを恐れて穴を掘って隠した僕がいます。

喜んで生きるとは?恐れとは?そして「忠実」であるとは?

 

◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 

イエスが弟子たちに、またガリラヤの民衆やエルサレムの都の人びとに語られた「譬え」に注目して取り上げる2回目です。マタイ福音書の講解での文脈で読むのとはまた別に、「譬え」の特徴のほうに注目して、読んでみたいと思います。

最近わたしは聖書を読んでいると、特にイエスの教えやたとえ話を読んでいるときに「なぜこのようなことが?」とか時には「こんなことがあってよいのか?」という感情が心にわいて広がってくるのです。こうしなさいと正解を教訓的に教えられるというよりも、わたしの心になぜだ?という疑問が投げかけられているように思います。天(神)の国はこのようでいいのか?そしてそれは主イエス・キリストの十字架の出来事へとわたしを向けさせていくように思います。そして、ならばわたしは何を本当に神に願って求めるのか?とも問われているように思います。

イエスが教えて語られたのはさまざまな場面です。多くは場が整えられた会堂でではありませんでした。屋外で、旅の途中で、また祈りの場所とされて毎日出かけて過ごされたオリーブ山からエルサレムの都を見下ろしながらでした。そこで聞く者たちにボールを投げるように印象深く話を投げかけ、問いかけ、人びとの心に疑問や問い、応答を呼び起こさせられました。そしてそれらの話は記憶され、さらに広め伝えられました。マタイ福音書にあるタラントンのたとえは、ルカ19章のムナのたとえとして広まっているものと似ています。聖書外の文書でも少し展開が違う似た話が伝えられてもいます。このたとえも、なぜこんなことが?という思いがわいてくる話の一つです。

「神が人間に委託した才能、天分」という意味の、英語のタレントは日本でもよく知られていますが、その元になっているのはここで出てくるギリシア語のタラントンです。元来は重さの単位でしたが、貨幣の単位としても使われるようになりました。才能という意味が代表的になることで、このタラントンのたとえを本来その人に備わった素質のように考えてしまいがちですが、このたとえではタラントンは僕たちの資質ではなく主人から預けられた財産、いわば与えられた仕事やミッション(使命)です。主人は3人の僕に仕事を託します。世にあって多くの任務を託される人もあれば、少ない者もいます。学生にアンケートを取ると、必ずしも多くの仕事を任されたくはないという答えがわりと多くあるのが興味深いです。

1タラントンは重さの単位ではガリラヤでは銀1キカル(34kg)程度、貨幣の単位としては6000デナリオン、30年相当の日当賃金に価し、当時の人びとの生活だと一生分の労働に相当します。ヨハネの黙示録16:21には1タラントンの雹が降り大災害となったことが書かれています。莫大な量です。主人の都合で僕たちはその莫大な財産の仕事を託されます。そしてそれを用いてさらに増やす労働へと促されます。他にも預けられた者がいるので互いに意識し合い、競わされる思いもあったでしょうか。財産を増やすため、運用するための仕事とはどのようなものだったでしょう。収益を多くする方法は、僕たちが自分の手で汗して耕し労働するようなものではなかったのではないかと想像します。ただ一人、1タラントン預かった僕は自分の手で土を耕しました。30kg相当の銀を地中深く埋めて隠すほどの穴を掘るために。

帰ってきた主人は決済します。5タラントン、2タラントン預かった僕たちはそれを増やして主人に報告します。それは主人にとっては「わずかなもの」と言うのにまた驚かされます。僕たちは「忠実な良い僕」として「主人の喜び」に一緒に喜べと言われます。儲けの仕事やシステムに組できず、1タラントンを返した僕は「怠惰で悪い僕」だと厳しくとがめられ持っているものも奪われ、外に追い出されます。厳しい仕打ちに思い巡らします。忠実であるとは?こんなことがあってよいか?ならば神は、天の国はどうであってほしいとわたしは望むのか?わたしはどうありたいか?と。

HOMEへ