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2023年4月24日
わたしの教会ストーリー 013 中山明仁さん 「神様の大きく深いお働きの中で」

💒わたしの教会ストーリー 013
中山明仁(なかやまめいじん)さん
「神様の大きく深いお働きの中で」
1.三回の顕現
1972年12月24日、10歳の時、他の二人の兄と共に、日本基督教団新潟教会で高橋 勝牧師に洗礼を施して頂きました。その後、父が横浜に転勤し金沢区に移り住み、関東学院六浦中高で学びました。医学の道に進んだあとは忙しさを言い訳に、不信心な信仰生活を送っていたにもかかわらず、これまでに神さまは3回顕現してくださいました。1回目は運転中にハンドルに手を添えてくださり、2回目はパソコンのマウスに手を添えてくださり、3回目は次男の私への切なる祈りの時に、その童顔に顕現してくださいました。それぞれ人生の大きな転機に際した時での出来事で、生涯忘れることができない瞬間です。
「癌の手術は医者の命を削って患者に与えるようなもの」と恩師に教わって、1986年以来献身して来た大学病院での30年間、頭が真っ白になる瞬間、漆黒の孤独の瞬間、浮揚する達成感に満ちた瞬間、様々な場面に神は連れて行ってくださいました。特に喉頭全摘術で声を失う喉頭癌患者に、声を残すことができる「喉頭亜全摘術」は、キャリアを通して取り組んできた手術で、神がこの土の器に与えてくださった宝です。「私たちは、この宝を土の器に納めています。この並外れて偉大な力が神のもの」(コリントの信徒への手紙二 4章7節)。
2.戦力外通告

「霊の父は私たちの益となるように、御自分の神聖にあずからせる目的で私たちを鍛えられるのです。」(ヘブライ人への手紙12章10節)。2015年、キャリアのピークにあった時、思いがけず人事の争いに巻き込まれ、戦力外通告と悟り、大学を去る決意をしました。「私たちは神から幸いを受けるのだから、災いも受けようではないか。」(ヨブ記2章10節)。気が付くと50代半ば、そろそろメスを置き、長い間希薄になっていた信仰生活にもっと時間をと考えるようになっていました。そんな時、関東学院六浦中学の次男が、「宗教担任の髙橋 彰牧師がいい人だから、会ってみたら」と勧めくれました。2021年8月、関東学院教会追浜チャペルで髙橋先生に初めてお会いしました。「心を入れ替えて子供のようにならなければ、決して天の国に入ることはできない。」(マタイによる福音書18章3節)。
3.切なる祈り

一方、癌治療のピークでの突然の離職、やり残した手術の課題に背を向けたままでいいのか、自問し神に祈る日々が続いていました。「父よ、御心のままに行ってください。すると、天使が天から現れて、イエスを力づけた。イエスは苦しみもだえ、汗が血の滴るように地面に落ちた。」(ルカによる福音書22章42~44節)。3回目の顕現はそのような切なる祈りの中で起きた体験でした。「イエスは、「私に触れたのは誰か」と言われた。」(ルカによる福音書8章45節)。
4.はからずも

髙橋 彰先生と具体的な信仰生活について相談をすると決めた2021年10月2日のまさにその前日、はからずも、職員1500人の癌拠点病院で働かないかという誘いが飛び込んで来ました。翌日、髙橋先生にお会いした時、心が強く揺さぶられていました。手術か信仰か。髙橋先生は「一切の思い煩いを神にお任せしなさい。」(ペトロの手紙一 5章7節)と諭してくださいました。
「そこは、はからずもボアズの畑の一角であった。」(ルツ記2章3節)。2022年4月~総ベッド数700床の横須賀共済病院に着任しました。久しぶりの大きな組織で、6名の若手医師を指導し、まとめる重責の日々、これが与えられた使命なのか?「お言葉どおり、この身になりますように。」(ルカによる福音書1章38節)と祈りつつ一日一生で働きます。癌の手術は人の命に関わる厳しく時に孤独な仕事、メスを入れる前はいつも「御手を添えてくださいますように」と祈ります。神さまは「腰に帯を締め、灯をともしていなさい。」(ルカによる福音書12章35節)と答えてくれます。
5.世界へ行け

ほどなくして、米国から「喉頭亜全摘術」講習会の講師として招聘を頂きました。イエスは言われた。「全世界に行って、すべての造られたものに福音を宣べ伝えなさい。」(マルコによる福音書16章15節)。招聘したのは、ロサンゼルスにあるロマリンダ大学、Seventh-day Adventist Churchが母体である敬虔なクリスチャングループが運営する、良きサマリア人の譬でイエスが教えた「隣人を自分のように愛しなさい」(ルカによる福音書10章27節)を校訓とする大学です。
米国の喉頭癌治療は人知の導きがうまくいっておらず、治療成績の低下に苦しんでいました。「心を尽くして主に信頼し、自分の分別には頼るな。」(箴言3章5節)。ロマリンダ大学は経験豊富な講師を招聘した講習会を通して、不名誉な成績から何とか抜け出そうとしているのです。
米国喉頭癌治療の「隅の親石となった石」(使徒言行録4章11節)になる全米から選ばれた30名の若きホープの医師たちに、講師たちは講義と手術指導を通して命、そして声の「バトン」をつなぐべく懸命に語ります。「強く、雄々しくあれ。主はあなたと共にいる。」(ヨシュア記1章9節)。
6.私には夢がある

私の講義では最後をマーチン・ルーサー・キング牧師の有名な”I HAVE A DREAM”、になぞらえて語りかけました。「若人よ、私には夢がある。声を残す手術が今以上に用いられることを。私には夢がある。患者がネフイシュ・喉・生ける魂を極限まで失わないことを。私には夢がある。大きな願望を持ち、あなたたちが私の年齢になった時、喉頭癌の生存率が上昇に転じた、と誇りを持って言えるように」。
7.泣く人と共に泣く

「亜全摘で声が残りましたよ」麻酔から目覚めた中学の教諭に伝えた時、大粒の涙を流して男泣きされていました。以来12年間、その生ける魂は、多くの生徒を育て世に送り出しています。「苦難は忍耐を、忍耐は品格を、品格は希望を生む」(ローマの信徒への手紙5章3~4節)。
世界にいる80億人の一人一人に分け隔てなく、神さまは御恵みを配ってくださる。また、一人一人の喜怒哀楽にも心から寄り添ってくださる。そのような奇跡を起こしてくださる計測り知れない力に包まれている日々に感謝しています。
コロナ禍の中、全世界の病院では、懸命な医療が実践されています。医療者の健康が守られ、最善の癒しが日々患者に、届けられることを祈ります。はからずも、賜ってくださった病院で、「泣く人と共に泣く」(ローマの信徒への手紙12章15節)、一人でも多くの患者を笑顔にできるように、神がその御手をこの土の器にとこしえに添えていてくださいますように。
そして、教会員一人一人の上に、神の御恵みが豊かにありますように。
アーメン。











